住職のつぶやき

自殺

私には自ら命を絶った友人が二人います。

Aさんは高校時代からの友人です。同じクラスにもなったことがないのですが親友達が縁があってその繋がりでお付き合いがありました。

Bさんは所謂ママ友です。引っ越しされて離れた所で生活していたので何かあると電話で話をするそんなお付き合いでした。Bさんのお話は法話でもしたことが何度かありますが、お葬式にも法事にも出たことの無い人で、自分の娘さんが自殺してそれを受け入れられず数年後に自ら命を絶ちました。

二人とも所謂鬱病です。

Aさんとはそれほど話をしていなかったのですが、「一緒にゴルフしようよ」と誘われたのに「うん。」と言ってあげられなかったことが悔やまれます。

Bさんは、「死にたくなるねん。」て言っていました。でも、自分が娘に死なれて辛いのがわかっているのに親より先に自ら命を絶つとは。それを聞いて私は怒りました。私の中には怒りしかないと思いました。

今日、家族と鬱病の人がいきなり衝動的に自殺してしまうという話をした時いきなり涙があふれました。私は悲しみを怒りで圧し殺していたのでしょう。

対処療法で薬を与え儲けるだけの精神科医達。お願いです。どうかこれ以上自ら命を絶つ人が出ないように治療法を考えてください。

日帰り旅行

『あま~い旬のいちご食べ放題と柿田川湧水公園散策の旅』という日帰り旅行が当たった。娘がどこかで私の分まで応募して私だけ当たったのだ。「同伴者は6,990円で参加できます。」とあったが私一人で参加した。柿田川湧水をチラリと見学して、少し移動したところで昼食。桜エビの釜めし、大根の煮物、サラダ、うどん、かき揚げ、佃煮と漬物、美味しくいただきました。でも、この直後が楽しみにしていたメインのイチゴ狩りだったのです。申し訳ないと思いつつご飯もうどんも少しずつ残してイチゴに余裕を残してイチゴ狩りに挑みました。みずみずしいイチゴだったのですが、味がないものもあり、見た目は真っ赤で美味しそうなのになぜ?と思いつつも食べまくり、これ以上食べたらこの後バスに乗るのにまずいというころまで食べてギブアップ。移動して干物屋さんへ。そして午後3時にはなぜか出発地の本厚木を通り越して町田の宝石屋さんへ連れていかれていました。125万円のものが特別に75万円にさらにそこから30%オフさらにご相談に応じますというような6桁以上の品物が並びそこに90分。滞在時間が一番長かった。

無料の旅行なんてこんなもんなのかしら。救いだったのは隣の席の方が楽しい人でその人のおかげでこの旅行を十分楽しめたことです。ありがとうございました。感謝。

ひとり

先日、急に音信不通になったKさんを尋ねて東京都小平市まで出かけた。

Kさんは昔の職業婦人で80歳を越えてもお一人で暮らされていた。Kさんは亡くなったお姉さんの遺産を受け継ぐのと一緒にお姉さんの家のお墓を受け継ぎ守ってこられた。ご自分はキリスト教徒でらしたが、お寺のことはきちんとしてくださり、遠い所からお墓参りにもよくおみえになっていた。最後にいらしたときは、目がだいぶ不自由になり自分も年をとったので次回来たときにはお墓の今後を相談したいとおっしゃっていた。

そのKさんから音沙汰がなくなった。なんでもきちんとされてきたのに。とうとう手紙が戻ってくるようになった。様子を見に行かねばと思いつつ月日が流れようやく先日住所を尋ねた。Googleマップのいうままに住所までは難なくたどり着いた。でも、そこにはすでに違う人が住んでいた。隣の人に聞いても引っ越したことしかしらない。管理事務所に聞いても親戚の人が手続きして引っ越されたことしか教えてもらえない。個人情報の保護だからしかたない。親戚の人に連絡をくれるように伝えて欲しいと頼んでも「できません」。

もう、Kさんはご自分で動けない状況なんだろうと確信した。責任感の強い、きちんとされた方だった。あんなに遠い所から目が不自由でらしたのにお参りくださっていたのだ。改めて今までのお力添えに感謝するとともに、言い辛くてももっと早くKさんが動けなくなったときの話をしなければいけなかったと反省している。

Kさんを尋ねる道には満開の桜が並んでいた。美しいその景色は律儀なKさんからのお布施だったかもしれない。

花粉症

花粉症の季節になると普段でもいささかポンコツ気味の副住職がかなりポンコツになって使えない日々が続く。カレンダーにメモするのに違う月に書いてしまったり、渡さなければいけないものを忘れたり、お檀家様にはご迷惑をおかけして申し訳ありません。

そういう私も8~9年ほど前までは毎年花粉症でどうにもならないポンコツとなっていた。どのくらいポンコツだったかと言うと、30年以上も前になるがまだ新入社員だった頃、上司に社外へお使いを頼まれた時に「(花粉症で)こんな状態の私に外へ行けと言うんですか?!」とくってかかったことがある。花粉の季節になると鼻水との戦いに敗れ耳がおかしくなり耳鼻科に通うそんな毎年だった。

ところが、父の後を継いで住職となり寺に入って毎日仏さんを拝むようになって二年目ぐらいだったか、花粉症のシーズンに鼻水のかわりに咳が激しくでて喘息のようになった。そして、次のシーズンから花粉症はほとんど無くなったのだ。

仏さんのご利益なのか単に年を取ったからなのかはわからない。ただ、花粉症で苦しんでる方々、こんな風に突然症状が軽くなることもあるのです。希望を捨ててはいけません。でも、これだけ花粉症の人が多いのだから国をあげてどうにかするべき課題だと思うのだがどうだろう。

確定申告

終わった。やっとできた。もう30年近く毎年やってる事なのに「なんでもっと早くやらなかったんだろう」と例年のごとく思いながらようやく終わった。『確定申告』去年は「どうせ納めすぎてる分を返してもらうんだから締め切り過ぎてもいいや。」と確信犯で遅れて提出。すると市民税とかが高いままいったん払わなければならなくなり、その後還付してもらうという無駄な作業をしていただくこととなって申し訳ないことになることがわかった。なので今年はちゃんと出そうと思っていたのにまたぎりぎり。「なんのためにマイナンバーふったんだよ。税金欲しいなら全部勝手にやってもってけ!」誰にともなく悪態をつきながらの作業となった。こうして文章にしてみると自分のダメさがよくわかってつらい。でも、締め切りに間に合ったことでよしとしよう。

ご朱印

昨今のご朱印帳の流行で当山のような小さな寺にもご朱印をもらいに来る方がいらっしゃる。子供の頃から字が下手で中学の時にはクラス三大悪筆の一人と言われ、高校時代の友人は私が塔婆を書いていると聞くとのけぞって驚く。ご朱印をもらいにいらした方には「書き慣れてないので時間がかかります」「字は下手です」とおことわりをしてから書いている。私の下手な字だけでは申し訳ないので、この間可愛いお地蔵さんの絵のハンコを作った。できあがった日に偶然にもご朱印をもらいに見えた方がいた。いつもの通りお参りしてから客殿でお茶を飲んでお待ちいただいた。書き上がったご朱印帳をお返しすると千円札を一枚出されお帰りになった。私はお布施をいただくように受け取り本尊さんの前のお賽銭と一緒に納めた。(千円も置いてかれるって珍しいな。所願成就されますように)

それから5日。ふと思った。(もしかしてお釣りが必要だった?)お布施だと思ったのでそのまま受け取ったが、出された方は『料金』として300円(なぜかたいていの方が置いていかれるのがこの金額)と認識されてたかもしれない。と今さらながら気づいた。

お釣りが必要だったとしたらごめんなさい。また、いらしてください。お釣りお渡しします。その時はあのご朱印帳忘れずにお持ちください。