住職のつぶやき

そうだ!

寒さに震えながら朝勤行で本堂に行くと吐く息が白かった。温度計を見ると0℃を切っていた。その時私は思った「そうだ!沖縄にいこう!」

11月、家族の半数が流行に乗って病に倒れ、残り半数が濃厚接触者となった。失われた一週間のつけはその後アルバイトのピンチヒッターを断れなくなり週に3日プラスα働くという形で現れた。12月になると今までずっと無かったお葬式が次々と入った。10月に引いた風邪の咳がずっと治らず、とうとう咳喘息のようになった。オロオロ、バタバタしている内に年末年始。松飾りが取れるころようやく落ち着いてきて、寒さが身に染みた。そして「そうだ!沖縄に行こう。」となったのでした。

私は検査しても陰性だったのだが、それは検査キットの性能が悪いからで、あれは絶対コロナで一番の元凶だったと家族みんなに疑われている。

京都

本山が京都の東寺にあるので年に何回か京都にでかけます。京都駅と東寺以外ほとんど行かないのですが。今回の京都はコロナ前にほぼほぼ戻った感じでした。東寺の駐車場に観光バスがとまり修学旅行と思われる若者たちや外国人の方々も多く見かけました。駅もすごい人混みでスーツケースを手にした人も沢山いました。帰りの新幹線を予約しようとしたらほとんど座席がうまっていました。こんなことはコロナ後初めてです。空いてる京都も良かったな、なんて罰当たりなことを思ってしまいました。スミマセン。

 

一件落着

夏から関わってきたMさんは無事に担当地域の包括がお世話をしてくださることになりました。

環境が変わると認知症が進むと噂には聞いていましたが、Mさんはそれこそ坂道を転げ落ちるように進んでいきました。妄想から出ると思われる暴言には思わず腹がたちました。認知症の方を抱えるご家族の大変さを垣間見た気がします。ある日、いつものようにMさんがこれがないとダメなんだと言ってる飲むヨーグルトとコーヒー牛乳を持ってMさんを訪ねると「何しに来たんだ?」「(持ってきたもの)要りません!」「今までお世話になりました。もう来ないでくださって結構です。」と、慇懃無礼なご挨拶をいただいたのでした。包括の担当者さんも「もう私達だけで大丈夫です」というのでMさん騒動(?)はおしまいとなりました。

今回も色々勉強させていただきました。

 

私達はバカだと確認

前回imagineと題して自分が90歳過ぎの身寄りのない独り暮らし老婆で何十年も住んできた県営住宅をいきなり引っ越さなければならなくなったらどうする?という問いかけをしました。実際に檀家のMさんの身に起こったことで7月の下旬からその騒動に私と副住職の二人、三光寺シスターズは巻き込まれたのでした。

「Mさんが引っ越さなければならなくて、荷物の整理をしていて出てきた仏像をお焚き上げてして欲しいって言うから行ってきた。お布施をずいぶん包んでくれたよ。」と副住職。楽な暮らしをしているわけでもないのにいつも仏さんのことはきちんきちんとされる、ありがたいなぁと思ったのでした。その時に7月いっぱいで引っ越さなければいけないと言っていたので「手伝いが必要なときは声をかけてね」と言ってきたという。何も連絡がないので副住職が7月28日に様子を見に行った。何も準備していないという。Mさんの話が今一つわからない。そこからが大騒ぎ。県の担当者に確認すると7月いっぱいで引っ越してもらうことになっているという。引っ越し費用も振り込み済み。8月31日で建物全体のライフラインを切ります。Mさんはお金は振り込まれてないしそんな話は聞いていないという。通帳を見せてもらうと県から確かに振り込まれている。そして残高がほぼ0になっている。Mさんはお金はもう何もないと。

県に言っても「うちは確かに引っ越し費用を振り込みましたから。後は知りません。」市の福祉課、包括、社協、どこも、「うちでは何もできません。」という返事。8月31日でライフライン切れるって言ってるのに?日本の福祉どうなってる?国葬なんかに大金使っている場合か?

仕方がないから私達がお金使って引っ越しさせました。「立て替えておくから少しずつ返してね」と言って。この引っ越しが大変。そもそも生まれてこの方まともなお引っ越しをしたことがない二人で引っ越しを手伝おうということに無理があった。引っ越し先にはカーテンどころかカーテンレールも照明器具も無かった。ライフラインなどの手続きもしなければならない。

それでも何とかMさん自身とMさんの必要なものを引っ越しさせたのは8月31日ギリギリだった。

もう、これでお役御免と思ったらそうはいかなかった。引っ越しを機にMさんはどんどん弱っていった。口は達者だが動きも思考力も明らかに落ちてきており一人で1kmほど離れたスーパーに行くことも難しい、お金もない、行政に助けを求めるしかない状態になっていた。

また市の福祉課、包括に連絡をとることになった。その状態がずっと1ヶ月以上続いて今に至っている。お役所でも銀行でも何でも「個人情報なのでお身内の方でないと」というくせに赤の他人の我々に任せるのは何だろう?

そう、きっと、引っ越しを手伝ってはいけなかったんだ。「ライフラインを止めます」という県の脅しにまんまとひっかかってしまったけど、人が住んでいるのにライフラインを止めるわけがない。あの状態のMさんを見つけたら行政が動かないわけがない。

私たちが行政による福祉の手がMさんに届くのを遅くしてしまったのだ。きっと。私達はバカなんだなぁ。と今度の一件で再確認した。Mさんは私達が、引っ越し代まで出して引っ越しさせたことも忘れかけてる。私達はバカだなぁ。改めて思う。

imagine

想像してみて

あなたは91歳の老婆です

年相応に肉体も頭脳も衰えています

夫も子供も亡くし頼れる親戚も無く

県営住宅に一人暮らしています

長患いした夫の介護に貯蓄は使い果たし

月数万円の国民年金だけで暮らしています

歩くときには手すりにつかまり、時には杖をつき

エレベーターが無いので手すりにしがみつき階段を上り下りをしています

以前のように頭も回らず話の飲み込みも悪くなっています

物忘れもあります

30年以上暮らしたこの県営住宅が老朽化で取り壊されることになりました

県から引っ越し費用24万円を与えられ期日までに出て行くよう求められています

想像してみて

あなたは91歳の老婆です

パソコンもスマホも持っていません

使えません

頼れる人は誰もいません

24万円で30年分の荷物を片付け引っ越しをしなければなりません

 

 

贅沢なお夕飯

本山が京都の東寺なので年に数回行く。小田原着の新幹線が限られているので車中に食べ物を持ち込み夕飯にする事が多い。というかほぼ毎回そうだ。東寺から京都駅に行く途中にイオンモールがある。たいていここで時間調整しつつビールやお惣菜を買駅い込むことになる。コロナが流行ってからはテイクアウトできるお店もありけっこう楽しんでいる。

今日は久々に御使いものを買うついでに京都駅の『はしたて』でおぼろサバ寿司を買い、伊勢丹の地下で「この季節京都と言えば鱧」というようなキャッチコピーに乗せられて鱧の甘酢あえを、その他、牛スジ煮込み、ゴボウのサラダ、春巻きを買い、仕上げにホームで冷えたビールをゲットして車中に。どれもこれも美味しかった。と言いたいけどメインのサバ寿司が残念ながらいまひとつでがっかり。それでも全部食べて、デザートに亀末廣で買ってきたこの季節限定の葛焼で締めくくった。同行していた副住職が「美味しかったね~。イオンと違うね~。」と喜んだ。それはそうだよね。値段が違う。贅沢なお夕飯だった。ごちそうさまでした。

あ、ちなみに最近の京都のお気に入りはイオンモールに入っているジャックインザドーナッツというドーナツ屋さんです。関東にもあるようです。なのに、わざわざ京都から買って帰ってます。

私の京都は京都駅から東寺という狭い範囲です。