夏休み

夏休み

8月31日、夏休み最後の日だ。学校に行っていたころは必死で泣きながら宿題をやっていた日。そんなことと一緒に子供の頃の夏休みを思い出した。横浜にある母の実家に同学年の従兄がいて長期の休みになると泊りがけで何日間もお互いの家を行ったり来たりして過ごすのが常だった。朝から晩までずっと二人で遊んでいた。ボードゲーム、トランプ、夏には虫取り、花火も定番だった。彼は頭のいい人でいろんな遊びも考え出した。お手製すごろくは止まる目ごとに罰ゲーム的なおふざけ課題があるもので二人で大いに大盛り上がった。後年似たようなものを作って自分の子供や甥、姪と一緒に遊んだがやはり大うけだった。花火はプログラムを作って花火大会ごっこになった。あの頃はこんな夏が毎年くるものと思っていた。

いつのまにかお互いの家の行き来もなくなり大人になっていった。

そんな彼はもういない。数年前に心臓発作を起こし急死したのだ。その前年に彼の父親がその翌年に母親が亡くなり、一緒に過ごしたあの家も無くなった。

「変わらないものなどないんだよ」お釈迦様の言葉が心に響く。