分骨

分骨

年の離れた従姉Eが亡くなった。若いころに結婚して子供をもうけたが子供をおいて離婚し、晩年は実家を手伝っていた。親が亡くなり、家業を継いだ妹が亡くなった時、本人はがんの末期だった。亡くなった妹以外に兄弟は無く、年若い甥、姪を煩わせないように、頼れる従妹に自分が自分のことをできなくなった時のことをすべてまかせた。入院も葬式もお墓もすべて自分で従妹の助けを借りて準備して逝った。すごいと思った。自分の死をそんなにしっかり見つめられるものなのかと。ほとんど昏睡状態になったEの見舞いに行ったとき「眠るのが怖いって言ってたんだけど今は薬で眠らせてる・・・」と付き添ってる従姉言った。やはりEは平然を装いながら死の恐怖と戦っていたのだなと思った。

亡くなってから実の息子が「分骨して欲しい」と言ってきた。それもなぜか親戚中で村八分状態の家を通じて。Eの実家の職場に乗り込んできて暴れたりしたことのある家なので、その家に伝えれば息子に連絡がつくとわかっていても死の間際になってもEはそこには連絡をとらせなかった。みんな息子の気持ちは理解できるのだが、間に入った家が何を企んでいるのかわからない。だれも返事ができない。どうして息子は直接連絡を取らなかったのか・・・残念だ。