積善の家必ず余慶有り

積善の家必ず余慶有り

この夏、珍しく妹の副住職と二人で旅に出ました。檀家さんだった故Kさんの姪子さんのM さんがご自分が主宰で華展をされるというのでそのお祝いに北海道まで行ってきました。

Kさんは子供が無くご主人を亡くしたあとKさんの身元保証人となったのが北海道在住のMさんでした。もっと近くに親戚はいたのですがKさんの希望で何故かMさんが引き受けたのです。Kさんに遺産が有ったわけでも無いのに。MさんはKさんが入院するたびに北海道から飛んできました。手術等の判断は身内しかできないのです。それ以外の事は私達と連絡を取り合って対処しました。私達に心遣いくださり季節ごとに北海道の美味しい物を送ってくださいます。華道の師範としてまた和裁の技術者としても忙しい中でただ叔母であるというだけのKさんの為に本当に良くなさいました。

Mさんにはご子息が二人いらして、ご長男夫妻は10年以上子供さんに恵まれなかったのですがKさんが亡くなってから二人の子供に恵まれ、お二人のお子さんがいらした次男さんにもまた新たにお子さんが授かりました。ご長男の事業も順風満帆。大病を患ったご主人も奇跡的な回復をされました。Mさんも長年教えてきた華道の集大成として華展を開くに至りました。

仏様のご加護と私は思っています。

今回、北海道に行くとご長男が町で一番の旅館を私達に用意してくださいました。その部屋の床の間に掛け軸がかかっていました。そこにはこう記されていました。「積善家必有余慶」善を積む家には必ず幸せがある。本当にその通りだと思いました。