住職のつぶやき

静寂権

昨晩、厚木・秦野中井間の東名高速が工事のため通行止めになった。夜中12時、ふと気づくと県道を通る車もほとんどなく寺の周りは静寂につつまれていた。両親が「東名高速が開通した当初はうるさくてしばらく夜眠れなかった。」と言っていた意味がよくわかった。

今、近所で第二東名、246バイパスの工事が進んでいる。道路の為に移転させられる家は気のどくだが、補償をもらって静かなところに引っ越せるだけまだいいかもしれない。近所に家がなくなり道路の傍に騒音だけ押し付けられとり残される家はもっと気の毒だ。『日照権』はあるのに『静寂権』が無いのは何故だろう。

梅仕事

一昨日から梅仕事。庭で採れた全部で10キロほどの梅を梅ジュース、梅干し、梅酒にした。「申年の梅は縁起が良い」という言い伝えがあるそうだ。平安時代に疫病が流行した際、村上天皇が梅を使って人々を救い、自分の病気も梅で治癒した、など諸説あり「申年の梅は薬になる」と珍重されてきたそうだ。(by読売新聞)梅ジュースが美味しくできたら今度のお施餓鬼(8月4日)で来てくださった方々にふるまおうと思っている。「おいしくな~れ、おいしくな~れ」

風邪

「馬鹿は風邪ひかない」でも「夏風邪は馬鹿がひく」というわけで先週からずっとかぜっぴきだ。のどがいがいがするなぁから始まって、咳が出るようになって、鼻声のまま今に至る。「熱が出ない風邪が一番嫌い」と言ったのは学校に通う姪っ子。私に似て、すきあらばさぼりたいのだが小心者でできない。サボるための「発熱」という免罪符が欲しいのだ。風邪だから体力つけなきゃともりもり食べて、体がだるいと言ってほとんど動かない。結果、出荷前の家畜のようにまるまるしてきた。「体の節々も痛いし、実はインフルエンザで熱が出ないだけじゃないかな?ほら、予防接種受けてるからさ。」とか色々言ってみても家族は誰一人聞いていない。

ヘイトスピーチ

川崎でヘイトスピーチのデモの企てを反対派が阻止した。いじめっ子の暴挙を一般の子が団結して阻止したような感じがして何だかすごく嬉しい。そもそも何のためにヘイトスピーチをするのかわからない。私は差別的発言を聞くことも差別を目にすることもなく育ったので日本国内の差別の存在すら知らなかった。なのでそういう感覚は全くない。差別する意識は教え込まれることで形成されると思っている。だから子供に伝えなければ差別はなくなっていくのではないかと思う。・・・と全宗教連の差別を考える勉強会で言ったら、無知にもほどがあるとえらく怒られた。そういう臭い物に蓋をするような考えがあるから差別がなくならないんだと。そうかなぁ・・・自分の経験からそう思うんだけど。

『笑点』

『笑点』の過去最高視聴率は40.5%で、1973年に伊勢原の道灌祭りの時に収録されたものだそうだ。たしか、この収録は私の母校、伊勢原市立山王中学校の体育館で行われたと思う。掃除をさぼって覗きに行って後でばれて先生にしこたま怒られた記憶がある。覗いて何が見えたかも覚えていないのだが・・・。なんで、山王中だったのか。この学校の学区は日向薬師、大山、善波峠をも含む広大なもの。落語に大山詣りの話があるからじゃないかと思う。最近読んだ落語を描いたマンガで「落語は人から人へひたすら語り伝えられた芸である」とあった。実は坊さんもそう。習ったことを師僧から弟子へと水を入れ物から入れ物に移すように伝えていくべきものなのだ。ほとんどの水を移し損ねた(?)身としては辛いものがある。80になる歌丸さんが「新しい噺を覚えるのは大変で・・・」と言っていた。まだ勉強しているんだ。私もがんばらねば。(ちなみに道灌祭りは10月の第一だったかな?土・日に行われる伊勢原市の観光祭りです。)

列車事故

昨晩、新宿でロマンスカーに乗った途端「新百合ヶ丘と柿生の間で午後9時55分乗用車と接触事故がおきたためこの電車は運休」とのアナウンス。ほかの電車は新百合ヶ丘で折り返し運転というので「接触事故」なら小一時間で復旧するだろうと快速急行に乗り換えた。一時間ほどかけて新百合ヶ丘に到着。事故は接触ではなく衝突のようだった、復旧のめどもたっていない。多摩線経由で橋本に出て町田へと案内され、多摩線に乗って待っていたが待てどくらせど発車しない。そのうち橋本からの横浜線の終電に間に合わない時間になり結局新百合ヶ丘で待つことに。一時間ほどしてようやく事故の概要と午前1時40分復旧予定と知らされた。ようやく動いた電車は本厚木止まり。そこで電車を待つこと十数分。伊勢原にたどり着いたときは午前三時をまわっていた。追い打ちをかけるように伊勢原駅の自動改札が使えない。駅員がひとりひとり手動で対応。家に帰り着いたときには三時半。本来なら約1時間で帰れるところを4時間かかった。最初に復旧まで最低でも何時間かかると教えてくれたらいいのに。可能な振り替え輸送手段ももっと親切に教えてほしかった。

列車事故に遭うと鉄道会社に勤めていたKさんの話を思い出す。「人身事故の後始末を駅員さんがするそうですね。それが辛くて駅員辞める人もいるそうですね。」と話しかけたら、「そうなんだよ。でもね、俺、まず、『気の毒だなぁ』って思っちゃうんだよ。」とおっしゃった。それ以来電車が動かなくても以前ほど腹はたたなくなった。いろんな方に勉強させていただいている。・・・でも、やっぱり迷惑だなぁ。