沛然として徳教四海に溢る

沛然として徳教四海に溢る

このところ「知り合いがお坊さんにお布施が少ないって怒鳴られたという話を聞いて・・・」「実家の葬式にきた坊さんがお布施が少ないって飲んで騒いで・・・」というお布施に文句をいうお坊さんの話を立て続けに聞いて、これは仏さんが私に「気をつけなさいよ。」と警告しているのかと思いました。お布施に文句を言ったお坊さんが堕ちる地獄があると『鬼灯の冷徹』に書いてあったので文句は言いませんが、「この家に盗聴器があったらおしまいだな」と子供がつぶやくようなことは時々漏らします。

そんな時にお葬式ができ戒名を考えていて不思議なことがありました。戒名を考えるときは5冊ぐらい本を並べて、使いたい漢字から調べていくのが常ですが、何故だかこの時は普段開けないようなページを開けたのです。そこにあった「沛然として徳教四海に溢る」という言葉が目に留まりました。どういう意味なのかよくわからなくてググりました。孟子の言葉なんですが「徳に感化された教えは水が低いところへと流れていくように自然と受け入れられていく」、私なりに要約すると誠実な行いは認められていくということかと。お布施に文句をいうのではなく誠実にしていればやがては通じる。このことを仏さんは私に伝えたかったのでしょうか。この時戒名を考えていた故人の息子さんが「同業者と話をしていて、もっとこうしたらと思うけどみんな儲ける事ばかり優先してわかってもらえない。」という話をされました。「徳教四海に溢るだよ。誠実な仕事はやがてみんながわかってくれる」と伝えました。亡くなった彼のお父さんが彼に伝えたかったのかもしれません。

仏さんはこんな風に時々お導きくださいます。ありがたいことです。