黙食

黙食

先日、久々に仕出し屋さんのお料理をいただきました。新型コロナが流行ってからは法事のお斎も通夜ぶるまいも精進落としも無いことが多く、あっても辞退してきました。仕出し屋さんはさぞかし大変なことと思います。

昨年末のご葬儀の時は火葬場で食事をするという葬儀屋さんに「この時期に会食するんですか?」と言ったところ「炉前でお経あげて帰られるご住職も多いです。」と言われた。都会はそうなのか。では、そうします。と帰ったのですが、後からとても気になっていた。クラスター発生になったらどうしよう。一緒にいて前みたいに「しゃべらないで食べましょう」と声をかけた方がよかったかなとか。

で、先日のお葬式。やはり火葬場で食事をするという。後であんなに気を揉むぐらいならというわけで会食となりました。喪主のご挨拶の後、やおら立ち上がり言いましたよ。「こういう時です。食べるときはしゃべらず故人を偲んで食べてください。食べ終わってマスクを着けてからお話してください。万が一感染者が出たら亡くなった方も悲しみます。」こんな事葬儀屋さんも喪主さんもお出でいただいた方々に言えませんよね。坊さんである私しか言えません。その後シーンとした中でみんな黙々と食べました。目の前で食べていた喪主さんが食べ終わって一言「黙って食ってもちっとも旨くねぇな。」

そうですね。早くおしゃべりしながら食べられる日が来るといいですね。もう少しの辛抱です。