空海展

空海展

奈良国立博物館で空海展をやっています。京都の本山に用事で出かけたついでに奈良まで足をのばして見てきました。
真言宗というのは国家鎮護、民、つまりは皆が幸せであるように祈る宗派なんだと再確認し、それを祈る真言宗の僧侶であることを嬉しく思いました。
印象に残ったのはお大師さんが弟子の智泉さんの死を悼む文章です。我が子のように慈しみ育ててこられた大事なお弟子さんが若くして亡くなってしまった。「悲しいかな、悲しいかな、…」お大師さんの悲しみが伝わって、その展示の前で涙するのは私だけではありませんでした。
友人の母上が90を越え認知機能も衰え、誤嚥も多くなり、食も細くなって、お世話になっている施設のドクターから胃ろうを作ることを提案されたという。兄妹でとことん話し合った。栄養がとれて前のように元気になるわけではない、ならば自然に枯れて行く方が良いのではないかという結論になった。「親より先に逝くという最大の親不孝は免れそうだよ」と話が締めくくられました。
人は生まれたら死んでいく当たり前のことですが、自分より後に逝くはずの者に先立たれるとお大師さんでさえあんなに悲しむのです。
順番は守りましょう。