このために…

このために…

先日、京都で午後2時から会議という日がありました。せっかく京都に行くのにその前日も翌日も仕事が入っていて宿泊はできない、せめて早い時間の新幹線で行って少し観光しようと思ったのでした。ところが、当日は雨の予報。もういいや、ゆっくり会議に間に合う時間で行こう、と思ったのになんとちょうど良い時間の新幹線が満席。京都在住の先輩に遊んでもらおうと声をかけてみたのですがすでに予定が入っているとのこと。こうなったらどこか遊べるところをと探したけれど…。行きたいと思っていた京都国立博物館はその日は開いてるのは庭だけ。じゃあ、何年かぶりに二条城と思ったらお休み。しかたがない、やってみたかった体験コーナーはできないけど京都伝統産業ミュージアムに行くか、と早い時間の新幹線で出かけたのでした。ところが、京都に近づくと晴れてる。天気予報を再確認するとお昼ぐらいまでは雨は降らない。車窓から桜が咲いているのが見えた。調べると山科疏水に桜並木がある。毘沙門堂の枝垂れ桜も昨日散り始めたとあった。というわけで、急遽行き先を山科に。行き方も全部スマホが教えてくれる。本当に便利な世の中になりました。

山科疏水沿いに咲く菜の花と桜が綺麗でした。これが有名な「琵琶湖の水止めたろか?」の琵琶湖の水かと妙に感動。毘沙門堂の枝垂れ桜は残念ながら前日の雨で全て散ってました。でも、毘沙門堂の本堂にある何百年も前のトリックアート襖絵、取り次ぎたくないお客様を待たせる部屋(襖絵が梅に鶯ではなくヒヨドリ?で取り合わないというシャレになっている)、などおもしろく拝観しました。ある部屋にお釈迦様の教えがわかりやすく書かれて壁に貼られてました。その一つに『過ぎてしまったことを後悔せず、まだ起こらないことを心配せず、今を一生懸命生きなさい』とありました。還暦を過ぎ、もうすぐ退職する私には心をうたれる言葉でした。「もっと勉強してちゃんと働けばよかった。」と今さら悔いてもしょうがないことを思い、「収入がなくなり物価が上がっていくのに暮らしていけるのだろうか。」と考えてもわからない未来におびえている今日このごろでした。「あぁ、この言葉を読むために私は今日ここに来たんだ」仏さんは時々こんなふうに導いてくださいます。